大学の授業料が3倍になる？解説と私たちへの影響

最近「国立大学の授業料が3倍になるかもしれない」というニュースが話題になっています。子どもを持つ親や大学関係者にとってこのトピックが及ぼす影響は計り知れないものです。今回はこの問題を「子育て世代」「教育関係者」「地方大学の運営者」の3つの視点から深掘りします。

授業料3倍化の背景と最新動向

文部科学省の中央教育審議会では、国立大学の授業料を現行の約54万円から150万円に引き上げる案が議論されています1 ,6。背景には、国からの運営費交付金が20年間で約1600億円減少したことがあり、大学の経営基盤強化が急務とされています7。

東京大学が2025年度から授業料を20％値上げする決定をしたように2,7、国立大学の費用見直しは既に始まっています。特に地方大学は学生減少による経営難が深刻で、授業料収入に依存せざるを得ない状況です3 ,7。

仮に授業料が3倍化した場合、国立大学4年間の総費用は約600万円に。これに生活費を加えると、子ども1人あたり1000万円以上の支出が必要になります。私立大学進学を検討していた家庭は、選択肢がさらに狭まる可能性があります4,7。

年収600万円の家庭の場合、授業料3倍化で教育費負担率が収入の25％に達します。特に地方在住の家庭では「仕送りなしでの進学」が難しくなり、進学そのものを諦めるケースが増える懸念があります7。

地方大学の約7割が定員割れを起こしており、18歳人口の減少ペース（年率3％）を上回るスピードで志願者が減少しています3 ,7。授業料値上げが実施されれば、さらに入学希望者が都市部の大学に集中する可能性が高いです。

地方大学は地元企業の人材供給源として機能しています。例えば北海道大学の調査では、道内大学卒業生の地元定着率が1％低下すると、地域経済に年間50億円の損失が生じると推計されています3。
今回の値上げにより他の地域でも同じように

2025年度から導入される「多子世帯向け大学無償化制度」では、3人目以降の子どもの授業料・入学金が全額免除されます4。例えば国公立大の場合、約244万円の支援が受けられます。対象要件や申請方法は文科省の特設サイトで確認できます。

山形県立米沢栄養大学の例では、地元食品企業と連携した「授業料企業負担制度」を導入。学生は卒業後一定期間地元で働くことで、最大100万円の授業料補助を受けられます3。このような産学連携モデルは全国にあります。子供の進学希望先で活用できないか調べてみてください。

子どもの生後すぐから月1万円積み立てると、18年で216万円（利率1％で約240万円）が準備可能です。それには「つみたてNISA」の活用がおすすめです。
将来的に大学に行かないという選択をしても、他の資金として柔軟に運用することができます。

給付型奨学金（最大で年間91万円）と減免制度を併用することで、実質負担を60％削減できる事例があります4。

授業料3倍化は単なる値上げ問題ではなく、日本の教育システム全体の転換点だと言えます。わたしたちにできることは、正確な情報を収集し、早めの対策を講じること。教育費の負担軽減制度や地方大学の新たな試みを活用しながら、子どもたちの未来を守りたいですね。